「手間かけて作ったものっていい。」 近江上布から学んだこと。

更新日:7月5日



愛荘町に位置する近江上布伝統産業会館に行ってきました!!


大正時代に郡の役所として使用されていた素敵な建物


近江上布にまつわるアレコレと、職人さんたちのインタビューを中心に


私が感じたことも挟みつつ進めてまいります!!




近江上布について




では、早速近江上布について、、、


滋賀県は、周囲を山並に囲まれ、中心には琵琶湖を抱き、湿潤な気候・豊富な水に


恵まれた環境にあります。


その恩恵を十分に受け、室町時代から麻織物の産地とされ、彦根藩が献上品としていた


ほど上質な織物。


1977年に、絣(かすり)と生平(きびら)が伝統工芸品に指定されました。



純素朴な風合いをもつ生平の帯


近江上布の最大の魅力は、「麻」であるということ。


大麻は、薬物に指定されているため、育てることが難しい。


全国的に見ても麻織物自体の産地が少なくなっている中で、近江上布は手織りで制作さ


れているため、さらに珍しいのです。



日本らしい柔らかく優しい風合いを持つ絣の浴衣


よく献上品に使用されるのは


「苧麻(ちょま)」


という柔らかく繊細な材料。




対して、「麻」は


糸が太く網目が粗野なため


仕事着や日常着に使用される。




ここで、近江は


水にさらすと柔らかくなる麻の特性に


気づき、「苧麻」ではなく「麻」で献上


品を制作する。





、、、、、かっこいい!!!!


「右に倣え」と苧麻で献上品を制作するのではなく、麻で勝負する近江の覚悟。





麻だからこそ出すことのできる風合いを


麻でしか出すことのできない風合いを


是非手に取って感じてください!




生平を織るための原始的な地機である「腰機」





~織るを越えて~



では、つぎはインタビュー編です!!


最初にお話をお伺いしたのは職人の山口さん。



職人の山口さん

静かだけど、奥に情熱を感じるような目が印象的で、


マスク越しでしたが柔らかい表情で質問に答えてくださいました。



山口さんは近江上布伝統産業会館さんが2015年度から開始している「後継者育成プログ


ラム」の第一期生。もくもくと織っている姿から、長いこと近江上布に携わっている


方かと思いきや!!全く違う仕事をしており、子育てがひと段落したため、そのきっか


けから近江上布に携わるようになったそう。



すごいです、、、。!素敵です!!



糸の太さや織るものを変えることで、難しいことを少しづつ乗り越えていくことに


醍醐味を感じるとのこと。実際に使う人の「嬉しい」を考えて作っているということを


とても感じました。





~手織りがやっぱり好き~



お次は、山口さんと同じ時期に後継者プログラムに参加した向井さん。


職人の向井さん


芸大の染織科に通っていたという向井さんですが、着物業界の低迷から別の職種に


就きます。何年か働いたあと、


「やっぱり手織りがしたい!」


という思いがこみ上げてきて、このプログラムに出会ったそうです。




やってみるとやっぱり面白い。




そんな向井さんの生活は、仕事をして帰宅後に家で織る、休日には会館に来て織る


というもの。


「専業ではできない。でも趣味ではない。」という言葉が心に残っています。


近江上布に対し、生半可な気持ちではなく、覚悟をもって向き合っているのだなと感


じました。


また、やっぱり手織りがしたいという自分の気持ちに嘘を付かず行動したことにとても


尊敬します。やりたいことは全部やらなくちゃと思った私なのでした。






~すぐに結果を求めてはいけない~




最後にお話を伺ったのは、お母さんのような温かい田中さん。


「時代に合わせて変わったこと、変わらなければならなかったことはありますか?」


という質問にこのように答えていただきました。




「変わらなければいけないものは、製品のラインナップや製作工程よりもまず


現代の人たちに日本文化や伝統文化を伝えなければならないという心構え


だと考えています。




『日本人ってこんなに手間かけてモノづくりしていたんだよ』


『手間かけて作ったものってこんなにもいいんだよ』




ということを伝えるということを今やらなければいけません。


めちゃ売れしてくれとは思いません。


人間って、いざ製品が無くなると欲しくなる性分だから。


その欲しいって思ってくれた時に、在るようにするのが私たちの仕事。」





この話を聞いて、すぐに結果をもとめてしまう自部自身がちっぽけに感じました。


何十年何百年の長い目で考える。


田中さんは謙虚に話してくださいましたが、それって普通にはできない本当にすごいこ


とだと思います。ハッとさせられることが多くとても勉強になりました。


ハンカチ



~感想~


近江上布伝統産業会館の皆様、お時間をいただきありがとうございました。


お話を聞いて、本物を手に取り、工程を見て、


近江上布のすばらしさを声を大にして、同年代に伝えなければいけないと強く思いまし


た。


近江上布を“今”買ってほしいのではなく、ただただ知ってほしいです。




室町時代からの技術のリレーを。










近江上布伝統産業会館

〒529-1331 滋賀県愛知郡愛荘町愛知川32-2

TEL 0749-42-3246

ショップ  10:00~17:00

織物工房 10:00~16:30